こころとからだの元氣プラザ 様

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一般健診、婦人健診、人間ドック、外来診療を行う「こころとからだの元氣プラザ」では、一般健診だけでもピーク時250名/日、すべての患者・受診者にはピーク時800名/日に医療サービスを提供している。 都心にある同施設では、2005年からPOP-Net Serverを導入し徐々にフィルムレス化を進めてきた。 健診システムとの受診者情報連携をし、ビューワの使い勝手も良いというPOP-Net Serverの有用性について、大村峯夫氏(医療サービス事業本部長、理事・婦人科部長)、柳田裕子氏(医療技術本部検査部長)、重松綾氏(医療技術本部検査部放射線科科長)、佐々木寛子氏(医療技術本部検査部放射線科主任)に伺った。

動画保存と操作性の簡便さが決め手

日本で先駆的に開設したトータルウィメンズクリニック「女性のための生涯医療センター(ViVi)」で知られるこころとからだの元氣プラザ(以下元氣プラザ)は、婦人科・乳腺外科領域などに1つの重点を置いている。 婦人健診の受診者はピーク時は一般健診とは別に婦人健診だけで1日約280人が受診し、年間の婦人健診受診件数は34,000~35,000件にものぼる。
開設から現在までの流れの中でフィルムレス化への大きな転換点の1つになったのが、2004年、厚生労働省が視触診中心だった乳がん検診で、40歳以上では隔年の視触診+マンモグラフィの実施を通達したことだ。 これに伴い元氣プラザでのマンモグラフィ年間件数は2003年の3,752件から2004年には12,690件と3倍強まで激増した。 現在のマンモグラフィ年間件数は婦人健診受診者の約3分の2にあたる年間23,000~24,000件にまで増加している。 元氣プラザはNPO法人・マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の認定施設として、乳がん検診では2次読影を担当する非常勤医師5人も含めた約20人の医師で対応している。担当医師は非常勤であっても乳腺診断に一定の経験があり、読影については前述のマンモグラフィ検診精度管理中央委員会の読影医師認定Aランクを有している医師が必ず最終チェックを行っている。 また、担当する診療放射線技師も同委員会の撮影診療放射線技師認定資格者で構成している。

健診施設ならではのシステムとマルチベンダー対応が決め手

図1/直感的な操作が可能なビューア。CAD情報の表示機能もある。 図1/直感的な操作が可能なビューア。CAD情報の表示機能もある。
図2/デジタルマンモグラフィ装置 図2/デジタルマンモグラフィ装置
こうしたなかで2005年にイメージワン社製POP-Net Serverが導入された。決め手の1つとして、イメージワン社が同施設のために用意した機能「ワークリストサーバ」が挙げられる。 導入当時、健診システムメーカ等いくつかあたるものの、仕様面やコスト面で折り合うメーカがない中、イメージワンのPOP-Net Serverは画像サーバにMWMといわれる属性情報の連携機能が標準でついており、無駄なコストを抑えることができた。 これは、同施設の健診システムと連携させたもので、受診者情報を事前にPOP-Net Serverに登録することで、装置側で手入力なしで受診者情報を表示しすぐに撮影ができるようになるシステムである。
POP-Net Server導入のメリットについて、大村氏は「サーバに蓄積されている膨大なデータを引き出すのはフィルムよりだいぶ楽です。 また、読影する立場の意見を言えば、フィルム時代にはルーペを使用して読影をしなければなりませんでしたが、ビューアーにはコンピュータ支援診断(CAD)情報の表示機能もありますし、部分拡大もマウスで簡便に作業ができるので、読影医師がフィルムとにらめっこして視力を酷使しなくて済むようになりました」(図1)と語る。 元氣プラザでは2010年4月に胸部と一般撮影をデジタル化し、放射線領域はほぼデジタル化を完了、生理機能検査と超音波装置もDICOMでPOP-Net Serverに接続している。 マンモグラフィ(図2)、一般撮影システム、X線TVシステムなどの診断装置がPOP-Net Serverに接続しているが、こうしたマルチベンダー対応が可能で、導入価格が手ごろなこともPOP-Net Server導入の大きな要因になったという。 ちなみに婦人健診については2008年5月にデジタルマンモグラフィ2台を導入し、2010年度内に1台増設の予定である。
一方で、元氣プラザの所在地は都心の飯田橋ということもあり、フィルム保管スペースが限られてしまう。 フィルムレス化は施設の負荷軽減にも貢献している。
「マンモグラフィだけで年間2万件以上実施していますし、これに医師法に定められた診療記録の保管義務期間5年間をかけ合わせれば、フィルムだけで非常に膨大なものになります。 保管スペースの問題が常に悩みの種になるのですが、フィルムレス化で随分助かっています」(大村氏)。

直感的に使いやすいビューアー

POP-Net Server導入は、当然ながら検査を担当する現場でも業務の効率化に大きなメリットをもたらしている。
柳田氏は「当施設は健診事業が核で件数も多いので、いかに来院者をお待たせせずに検査を円滑に進めるかについて気を配らねばなりません。 フィルムレス化に踏み切ったことで、現像などの手間が要らなくなったため、以前に比べて1日当たりでもかなりの検査数を実施できるようになっていますね」と語る。 また、佐々木氏は「マンモグラフィに関して言えば、デジタル化により、撮影時間は今までの半分以下になっています」と説明する。
とりわけ元氣プラザの場合、POP-Net Server導入以前は完全なアナログ対応だったこともあり、例えば消化器検査では、検査部の担当者が読影準備として受診者1人当たり10~12枚のフィルムを現像し、確認を経たうえで袋に入れ、これに所見用紙を併せてセットするという作業が必要だった。 フィルム量だけで膨大になり、判定室に専用ワゴンをおいて、保管場所まで運搬しなければならなかった。 重松氏によると、「現在は担当者が所見用紙をもって判定室に行き、そこでビューアーから一覧を表示して確認後は、所見用紙入れに用紙を入れておけば、読影担当の医師にバトンタッチができます」とのことだ。
また、アナログ時代のもう1つの悩みは、過去に撮影した画像の照会だ。 佐々木氏は「以前は、わざわざ過去の撮影履歴を確認し、保管場所にフィルムを探しに行き、それを所見用紙とセットする作業が必要だった」と振り返る。
これらアナログ時代に要した作業は、作業そのものの負荷もさることながら、コスト面でもインパクトをもっていたようだ。 「フィルムレス化後に過去の作業量を人件費に換算して試算したことがあります。驚くほどの金額で、フィルムレス化のメリットを改めて実感した瞬間でもありました」(柳田氏)。
現在、POP-Net Serverの判定用ビューアーは健診診察用3台、一般外来用、女性ドック用、マンモグラフィ2次読影用にそれぞれ各1台の合計6台が設置されている。 「とにかく読影をする医師からは以前とは負荷が違うという声はよく耳にします。 健診の診断では受診者1人ずつではなく、モニタ上に複数人の画像を表示して読影することもしばしばですが、POP-Net Serverのビューアーではこれが可能です。 実は後に知ったことですがイメージワン社以外のビューアーではこうした使い方ができないものも多いので非常に重宝しています。 また、計測、白黒反転表示なども容易で、直感的な操作で使いやすいのだと思います」(重松氏)。
こうした効率化により、現在では当然ながらアナログ時代よりも1日当たりの読影数、検査数ともに増加につなげることが可能にもなった。 この点について佐々木氏は「当施設では健診での読影結果を結果報告書として作成していますが、この作成期間も確実に短縮されています」と語る。

セキュリティと安定稼働

元氣プラザは健診とそこで発見される疾患などの管理もできるよう併設された外来診療を行っているため、病床は有さないが、検査件数では市中の中規模病院をはるかにしのぐ。 このため、データ管理は重要だ。 基本的にはビューアーで画像情報などにアクセスできるのは、パスワードを与えられているスタッフに限定され、サーバ室は入退室にICカードでの管理を採用するなど、細心の注意を払っている。
同時に機器そのもののトラブルで、サーバに蓄積された膨大なデータそのものが失われる危険性にも注意を払わなければならないが、これについては個人情報保護の体制をイメージワン社と両者で協議し、万全の仕組みを整えることにより、リモートメンテナンスのサポート対応に大きな安心感を得ている。 「コンピューターは、これといった原因が見つからないのにエラーが出るといった現象も想定されますが、施設としてはコンピュータの専門知識を有する人材には限界があります。しかし、リモートメンテナンスならば、こちらが気付かなくてもエラーなどが出た場合にはイメージワン社の方から警告が発せられますし、万が一の場合にも運用を止めることなく稼働できる体制を整えていただけることになっています。 とにかくこうした機器では以前のように電話で相談し、サポート側からの指示に従って様々なチェックをするというのでは迅速性に欠け、煩雑でもありますので、その点ではPOP-Net Serverのサポート体制で非常に助かっています」(重松氏)。
元氣プラザでは、より安全で効率的なデジタル体制とサーバ体制を構築するため、システム再構築に取り組み始めている。 計画の一環として現在6TBのサーバ容量を大幅に拡張する予定である。 こうした拡張性の高さもPOP-Net Serverの臨床現場では評価につながっていると言えるだろう。

こころとからだの元氣プラザ

「こころとからだの元氣プラザ」は、財団法人東京顕微鏡院の保健医療事業を分離する形で2003年4月に医療法人社団「こころとからだの元氣プラザ」として飯田橋に開設した。 巡回・同施設内での健康診断事業をはじめ、人間ドック、産業保健、メンタルヘルス、特定保健指導などの健康支援など幅広いサービスを展開。同時に循環器科や消化器科、婦人科、乳腺科などの外来診療も行っている。 検査事業で長い歴史をもつ財団法人東京顕微鏡院の実績と信頼をベースにハイレベルの医療サービス提供を続けている。

所在地:東京都千代田区飯田橋3-6-5
TEL:03-5210-6666
URL:http://www.genkiplaza.or.jp

掲載雑誌名:Rad Fan
掲載月: Vol.8 No.13(2010)
取材日:2010.10.19
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