Harada乳腺クリニック 様

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院長
原田雄功氏

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診療放射線師
長谷川志賀子氏

開院当初からPOP-Net Serverを利用したフィルムレス運用を行っているHarada乳腺クリニック。 専門クリニックでの運用実態とその使用感を院長の原田雄功氏と、診療放射線技師の長谷川志賀子氏に伺った。

画像の鮮明さと他社製システムとの連携の良さが導入のポイント

2010年11月に開院したHarada乳腺クリニックは、その施設名がしめす通り乳腺疾患専門のクリニックである。現在有しているモダリティは超音波装置2台、マンモグラフィ1台。1日の外来患者は約20〜30人で、マンモグラフィ撮影は1日約15〜20件ほどだ。同クリニックには細胞診を行える検査室、抗がん剤治療室、リンパ浮腫治療室などの設備が整っており、乳がん患者への抗がん剤治療、手足のリンパ浮腫治療なども実施している。手術が必要な場合は、原田氏が近隣の病院で手術を行い、術後のフォローは同クリニックで一貫して行っている。乳がん検診や精密検査、セカンドオピニオンの他、子宮頸がん予防ワクチン接種も実施している。同クリニックでは、開業時からイメージワンのPOP-Net Serverを導入して運用を行っている。原田氏は「様々なPACSを比較検討したが、POP-Net Serverはビューワの画像が極めて鮮明というのが第一印象だった。このことは読影時の見落とし防止になるとも考えた」と導入経緯を語る。 また、コスト面で他社のPACSよりもリーズナブルであることも導入の決め手になった。POPNetServerはWeb配信機能を持っているので、ライセンス費用なしでビューワ端末を追加することが可能である。同クリニックは現在診察室は1つだけであるが、今後診察室を増やした場合にも端末とモニタの費用のみで増設できるところも大きなメリットであるという。 一方、他施設から紹介された患者のCTやMRI画像を、メディアで受け取ることがある。
図1/診察室の電子カルテ画面、レポート画面、読影端末(左から)  図1/診察室の電子カルテ画面、レポート画面、読影端末(左から) 
図2/比較読影画面画面下のボタンから、過去画像との比較画面を簡単に表示することができる 図2/比較読影画面画面下のボタンから、過去画像との比較画面を簡単に表示することができる
こうした画像も一旦POP-Net Serverに取り込んで、院内の超音波画像やマンモグラフィ画像とともにPACSで一元管理できることも大きなメリットだ。CTやMRIの画像データの読み込み・読み出しがストレスなく行えるため、同クリニックで検査を実施せずとも、患者への充分なフォローが可能であるという。 同クリニックでは、他社製のマンモグラフィ・レポートシステムを運用している。作成されたレポートはDICOM PDFに変換してPOP-Net Serverに取り込み、ビューワ上で確認することが可能である。また、電子カルテと患者IDの紐付けによるビューワ連携を行っているため、一患者の診療情報を電子カルテから画像・読影レポートとシームレスに確認できるペーパーレスなシステムを実現した(図1)。各患者の電子カルテと各種画像は、患者IDにより紐付けされるため、「ひとつの画面で全てのデータを参照でき、画像の読み出し速度も速い」(原田氏)とのことだ。

デジタル化初体験でもストレスのない操作性

図3/ボタンの大きな操作用キーボード 図3/ボタンの大きな操作用キーボード
また、原田氏は「画像の鮮明さはもちろんのこと、POP-Net Serverのビューワだと過去画像比較が容易で、4つの過去画像まで比較読影できる点が非常に助かっています。また、画像の拡大・縮小もマウスのワンクリックで済むので、操作の簡便さも魅力ですね」とその使用感の良さを語る(図2)。 かつては、過去画像との比較は枚数の多いフィルムをセットすることから始まり、非常に手間がかかる作業が多かった。また、たとえフィルムレス化が実現していても、各モダリティや院内システムとの連動まで実現していなければ、カルテ情報やレポート情報を別途メモ書きにして画像情報が表示されたディスプレイ前で座って作業をしなければならない。手書き情報での誤記というミスも起こりえる。そうした多段階での効率化を図れるのもPOP-Net Serverのメリットだという。 さらに、同クリニックにとって大きなメリットを生み出しているのが、他社製のマンモグラフィ・レポートシステムとの連携の良さだ。 「現在、マンモグラフィでは診療放射線技師が1次読影をし、私が2次読影を担当しています。レポートシステムで両者の読影結果が記録され、それがPACSで一元管理されているため、診療放射線技師も2次読影結果をすぐに参照できます。つまりPACSによって診療放射線技師の読影教育・研修をそのまま行える形になっているわけです。さらにPOP-Net Serverではレポートへの画像の貼り付けも容易です」(原田氏)。 診療放射線技師の長谷川氏も「とにかく画像の表示速度が速く、ストレスがないですね。マンモグラフィだけでなく、他施設のCT、MRI画像の管理も容易です。また、操作用のキーボードが大きくて便利です(図3)。私はこれまでアナログの経験のみでデジタルは初めてでしたが、そうした立場でも操作に戸惑うことは少なく非常に使いやすい印象です」と強調する。 一方、通常の施設ならば、検診でのマンモグラフィ撮影後、結果が受診者の手元に届くまで10日間もかかるということは珍しくなく、この間、受診者は不安を抱きながら結果を待ち続けなければならない。しかしながら、同クリニックでは、フィルムレス化、ペーパーレス化を実現しており、検診結果を早く知ることができるため患者へのメリットは少なくない、と原田氏は語る。 「当院の場合は当日に読影は終了していますので、どんなに遅くとも2〜3日で受診者に結果を伝達できます。また、撮影後すぐに結果の説明を行うことも多くなっています。とりわけ悪性所見がある場合などは、読影スピードと迅速な診断結果の伝達は重要だと考えています」。

ネットカンファレンス機能でより質の高い遠隔読影を目指す

また、原田氏がPOP-Net Serverの機能で非常に期待をしているものがある。それがビューワに付属したネットカンファレンス機能だ。この機能は複数のビューワ操作者の間で、チャットや音声通話を行いながら画像読影を行えるというもの。これを利用すれば、一部で行われている病理医の遠隔診断(テレパソロジー)と同じように、画像診断領域での遠隔読影への応用の可能性も広がる。 例えばHarada乳腺クリニックのある宮城県での現在の乳がん検診受診率は約40%といわれている。今後、乳がん検診の啓蒙などにより、受診率向上も予想されるが、それに応じるように乳腺領域を専門とする読影医が増加するとは考えにくい。その点から、こうしたネットカンファレンス機能を利用することで、読影医不足の代替として期待できる。 原田氏は「現在、各施設ともマンモグラフィの撮影件数は増加していますが、常勤の読影担当医を配置できていない施設も少なくないのが実状です。こうした施設では結局、非常勤の乳腺専門医に読影料を支払って、読影をお願いしています。また、そうした読影担当医も自らが勤務する医療機関での勤務後の夕方以降の時間をなんとか確保して施設に赴いているわけです。なかにはこうした読影医を派遣する民間企業に頼っているケースもあります。いずれにせよ医療機関、医師の双方が膨大なコストと時間の負担を強いられています」と説明する。 ネットカンファレンス機能をうまく活用できれば、乳腺領域での画像診断にかかわるコストと時間の節約になると考えている。 「POP-Net Serverのネットカンファレンス機能を応用できれば、その利点である画像の鮮明さや悪性所見の見落とし防止、診断結果の速さなどを生かして、より質の高い検診も可能になるはずです」(原田氏)。 専門医が有する高い技能と社会全体の医療需要を結び付ければ、質の高い医療環境を幅広く提供することができる。POP-Net Serverはこの医療の質向上に欠かせない2つ のファクターを繋ぐメディエーターになりうると原田氏は期待を抱いている。

震災で示された高い耐障害性

同クリニックは3月の東日本大震災の被災地である名取市にある。同クリニックも大きな被害を受けたが、ライフライン復旧直後、保守担当が駆け付けた際、POP-Net Serverに問題は発生していなかったという。同クリニックでは、被災後1週間で診療を開始することができた。高い耐障害性とバックアップ体制の整ったPOP-Net Serverは、万一の災害発生時にも心強いシステムである。

Harada乳腺クリニック

2010年11月にオープンしたばかりのHarada乳腺クリニック。所在地の名取市は、仙台市の南部に隣接する人口7万3,000人超のベットタウン都市。院長の原田雄功氏は、東北大学医学部卒業後、仙台市の基幹病院である仙台市立病院などの勤務を経て開業に至った。日本外科学会と日本乳癌学会の乳腺専門医認定も受けている。最新の機器を導入した乳がん検診や手術後のフォローアップなど、院長自ら行う質の高い医療によって地域医療への貢献を目指している。

所在地:宮城県名取市手倉田字八幡423-1
TEL:022-398-7703
URL:http://www.harada-bc.com/pc/index.html 病床数:なし
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