越谷市立病院 様

image

副診療部長・放射線科部長
黒川重雄氏

image

放射線科
大泉倫之氏

image

放射線科副技部長
阿部正己氏

image

庶務課
佐藤雅俊氏

越谷市立病院では、2004年にCTの画像保管のためイメージワン社製POP-Net Serverを導入した。 2007年には多目的血管撮影装置の導入とともに、動画の保管と画像サーバの整理のため、システムを更新。 2009年3月には一部を除きフィルムレス化を開始し、外来を中心に院内に画像を配信している。 徐々にフィルムレス化を進めてきた同院を支えるPOP-Net Serverについてお話を伺った。

フィルムレス化への道

図1/各診療科の外来に設置されている電子カルテ画面と画像表示用モニタ。 図1/各診療科の外来に設置されている電子カルテ画面と画像表示用モニタ。
図2/手術室には3面構成のモニタを設置したものが計6台設置されている。 図2/手術室には3面構成のモニタを設置したものが計6台設置されている。
越谷市立病院では2004年度にイメージワン社製POP-Net Serverを導入し、CT・MRI画像のサーバ保管を開始した。 2007年には多目的血管撮影装置の導入を機に動画保管を可能とするシステムの更新と、サーバの強化を行った。
CTとMRIを導入した頃から、将来のフィルムレス化を見据えており、イメージワン社とともにフィルムレス化に向けたシステムを構築してきたという。
「PACSを新規に購入してのフィルムレス化ではなく、様々なモダリティの導入・更新の度にシステムの更新を行い、PACSを構築してきました。 当院では開院時から中央フィルムシステムがあり、そうした管理体制がフィルムレス化にあたってのたたき台になったのではないかと思います」と黒川氏は語る。
現在、呼吸器科と整形外科を除いた診療科でフィルムレス化を実施。 各診療科の外来では電子カルテ画面の他に高精細モニタを設置し、電子カルテと連動して画像表示を行っている(図1)。
また、手術室もフィルムレス化しており、モニタ3面構成(図2)で画像を表示している。

フィルムレス化のメリット

  • 1. 読影がスムーズに

    フィルムレス化により、フィルムの搬送や、フィルムやレポートを探す手間がなくなったことで、業務フローが向上した。 また、読影スピードもフィルム時代と比較して上がっている。 ビューワ・レポート機能の使いやすさを読影医たちは次のように語る。
    「私はフィルムでの読影もしてきましたが、ビューワを使っての画像の比較読影はとても便利ですね。 CTやMRIといった別モダリティで撮影した画像の同じ裁面が比較できるのが、非常に便利だと思います」(黒川氏)。
    「MPR画像の作成などがスムーズにできて便利です。 例えば1mmのコリメーション画像の作成など、元データさえあればMPR3次元画像を簡易的にでも作成することができるので、二度手間三度手間の再構成が必要ないという点がいいと思います」(大泉氏)。

  • 2. どこからでも可能なレポート参照

    同院では脳神経外科、消化器科、循環器内科など他科の医師も読影レポートを入力している。
    「当院の特徴の一つは、一部の診療科の画像がダブルレポーティングになることです。 臨床医のレポートは私たちと違った視点で参考になることが多いです。カンファレンスなどに活かしていけると思います」(黒川氏)。
    複数の診療科の医師が別の場所から同時に読影、レポート入力・参照が可能なことは、フィルムレス化の大きなメリットだ。 レポートの参照は、院内のどこからでも可能であり、簡単な操作で呼び出すことができる。 大泉氏はその操作性を次のように語る。
    「過去画像はもちろん、その画像に付属するレポートも非常に呼び出しやすくできていると感じます。 1つの画面の中にすべて集約されており、そうしたインターフェイスがうまく作られていると思います」。

  • 3. コストダウン

    フィルムレス化により、70%フィルム出力がなくなったという同院では、はじめの1ヶ月で約300~400万円ほどの経費削減が実現したという。 黒川氏は、コスト面での効果を次のように語る。
    「完全フィルムレスではありませんが、これだけの効果が上がっています。 また、フィルムレスがスタートしてからはほぼ100%、その日に撮影した画像の読影を終了することができています。 画像診断管理加算2の取得へ向け、申請準備をしています」。
    また、現在フィルムレス化されていない診療科でのフィルムレス化を進め、さらなるコスト削減を目指す。

  • 4. 臨床医との連携が密に

    他科の医師からは、レポーティングが速くなったとの声があるという。 フィルム出力のフローがない分、時間が短縮され、早い場合には撮影から10分程度でレポートができあがることもあるという。 また、急ぎの場合には各科の医師から、レポートより先に電話でコメントを求められることもある。
    こうした状況を、大泉氏は「臨床科と放射線科との連携がうまくいっていると感じます。 放射線科としても、病院に対する貢献度が大きくなって嬉しいですね」と語っ

動画の運用

2007年のフィリップス社製多目的血管撮影装置導入を機に、動画もPOP-Net Serverで保管している。 現在マルチフレームとして保管しているのは血管撮影装置と、核医学検査装置で撮影された画像だ。
同院では画像を患者にプリントアウトして渡す場合もあるということで、より高画質での動画の出力など、イメージワン社と機能の向上を進めている。

他システムとの連携

モダリティでは、シーメンス社製CTとMRI、フィリップス社製多目的血管撮影装置、GE社製核医学検査装置の画像を保管している。
その他HIS(東芝住電医療情報システムズ社製)、や検像システム(インフォコム社製)とも連携している。
「検像システムはインフォコム社製品を2台導入しています。フィルムレス化で検像を通す画像が増えたことで、運用の方法を変えていかなければと検討しているところです。 POP-Net Serverとの連携はうまくいっていますね」(阿部氏)。
電子カルテは2005年から「HAPPY ACCELER 3.1」(東芝住電医療情報システムズ社製)を導入している。
「電子カルテは現在病棟のみの導入です。 撮影のものはすべてオーダリングシステムを使用しています。 オーダーからビューワ画像の参照など、とても簡単な操作で可能です」と佐藤氏。

サーバの冗長化と安定稼働

POP-Net Serverの導入から5年、ハードディスク障害など大きな障害は発生していない。 検索スピードも速く、サーバに負荷がかかっている感じはしないと各氏は口々に語る。
「容量は5TBです。まだまだ余裕があり5年間は持ちそうなので、容量を考えるのは先でいいと思います。 CTの3Dの元画像など、通常見ないものはサーバに送らないようにしています。 容量的には送っても問題はありませんが、スタディ単位で画像を見る医師が多いので」と阿部氏。
もちろんバックアップ体制も整っており、万が一のシステムダウン時にも、代替システムでの運用が可能である。 リモートメンテナンスシステムによるサポートも、トラブルを素早く解決するために有効だ。 また、バックアップが自動化されたことで、業務効率が改善された。

より使いやすい製品を目指して

POP-Net Serverの導入から5年、この間モニタ読影やフィルムレス化を徐々に進めてきた越谷市立病院では、システム更新の度にイメージワン社に改善点などを提示してきた。 それに対する同社の対応の方法やスピードによって、同院との信頼関係が築かれてきている。
「導入前よりもアフターケアが大事だと思う。 PACSやビューワに関しては、ユーザとメーカがディスカッションをすることによって、より完成品に近づいていくということになるんだと思います。 その点で、イメージワン社の対応は優れていると思います」と大泉氏は述べた。
図3/POP-Net Serverは温度管理されているサーバ室に設置。ハードディスクを二重化して画像をバックアップしている。 図3/POP-Net Serverは温度管理されているサーバ室に設置。ハードディスクを二重化して画像をバックアップしている。

越谷市立病院

1976年にオープンし、越谷市を中心とする埼玉県南東部の5市1町を診療圏としている。 「Smile、Safety、Satisfaction」をモットーに、「地域の中核病院として、住民の医療、福祉向上を目指し、更なる信頼を得るべく、地元医師会と手を携えて、地域医療の発展に寄与する」ことを目指している。 2000年には地元の越谷医師会と病診連携要綱を締結したほか、開放型病床の設置を行っている。 同病院は地域の医療機関と積極的な連携を行いながら、紹介患者中心・救急患者中心の病院として、地域の中核病院としての役割を担い続けている。

所在地:埼玉県越谷市東越谷十丁目47番地1
TEL:048-965-2221
URL:http://www.mhp.koshigaya.saitama.jp
病床数:481床
image
pagetop